ChatGPTのレストラン予約機能で秘書が会食枠を確定する手順
ChatGPTに追加されたレストラン予約機能を使って、秘書が接待の会食枠を確定するまでの手順と、日本国内での対応範囲の限界を整理します。

営業部にはGPT-5.6 Sol、経理部には安価なLuna。
ChatGPT Workを全社導入した情シス担当者であれば、こうした部署別の使い分けを一度は検討したことがあるはずです。
結論から言うと、この設計はワークスペース管理者の設定画面から実現できます。
ワークスペースのオーナーと管理者は「Workspace settings」の「Models」という項目から、Chat、およびWork & Codexそれぞれについて既定モデルと推論レベルを指定でき、ロールやグループ単位で上書きすることもできるという説明がOpenAIヘルプセンターの「ChatGPT ワークと Codex」および関連ページに掲載されています。
ただし、この既定値はあくまで初期値の指定にすぎません。
メンバーが元々アクセスできないモデルへの権限を新たに付与するものではないとされており、ここを誤解すると狙った通りのコスト削減にはつながりません。
本稿では、公式ヘルプの記述をもとに、部署やロールごとに既定モデル・推論レベルを設計する具体的な手順と、コスト管理で見落としやすい注意点を整理します。
ChatGPT Workは、リサーチや分析、連携先のアプリ・ファイルをまたいだ作業、そして文書やスプレッドシート、プレゼンテーション、レポート、サイトの作成までを一気通貫でこなす、やや長めのタスク向けのエージェント機能です。
作業の進行状況を確認しながら、途中で指示を変更したり、重要な操作の前に承認したりできる設計になっているようです。
コーディング支援エージェントのCodexとは機能面で近く、実際にChatGPT Enterpriseの契約はChatGPT用の標準シートとCodex用シートという2種類のシート体系を軸にしているという記述もあります。
コスト管理の観点で見逃せないのが、利用量の数え方です。
Codex、ChatGPT Work、ChatGPT for Excel、Workspace Agentsは同一の「エージェント型」の使用量プールを共有して消費するとされており、部署ごとに厳密な予算按分をしたい場合はこの仕様を前提に設計する必要があります。
一部門だけがCodexを多用すると、ChatGPT Workの残り枠にも影響が出る可能性がある、という理解をしておくと安全です。
| プラン | ChatGPT Workの提供状況 | 部署別・ロール別の既定値設定 |
|---|---|---|
| Free / Go | 対象外 | 該当なし |
| Plus / Pro / Pro Lite | 個人向けに提供 | 個人設定のみで、組織管理機能はなし |
| Business | 他プランに続く形で順次ロールアウトとされている | ワークスペース単位の既定値設定が中心 |
| Enterprise / Edu | 先行して提供され、導入時は2週間のプレビュー期間があり既定はオフ、管理者が事前にオプトアウトしない限り期間終了後に自動でオンになるという説明がある | カスタムRBAC対応プランならグループ・ロール単位の細かな上書きが可能 |
特に部署ごとの細かい出し分けを狙うなら、事実上Enterprise・Eduプランが前提になります。
Businessプランでもワークスペース全体の既定値は設定できますが、グループ単位のRBACに対応しているかどうかは契約内容によって異なるため、導入前に自社の契約プランと管理コンソールの表示項目を確認しておくと手戻りが少なくなります。
「部署ごとに既定値を設定できる」と聞くと、専用モデルを新規に作れる、あるいは設定さえすればコストが自動的に最適化されると期待しがちです。
しかし実際の仕組みはもう少し地味です。
| 読者が抱きがちな期待 | 公式ヘルプが示す実際の仕様 |
|---|---|
| 部署専用のカスタムモデルを作成できる | 既存のモデル(GPT-5.6 Sol・Terra・Lunaなど)と推論レベルの組み合わせを、ロール・グループ単位で既定値として割り当てる仕組みにとどまる |
| 既定値を決めればメンバーは変更できない | 新規チャットの挙動は「管理者の既定値」か「メンバーの前回選択を引き継ぐ」かを選べる設計になっており、後者を選ぶと部署の狙いどおりにならない場合がある |
| 上位ロールに既定値を与えれば無制限にモデルを使える | 既定値の指定はあくまで初期選択であり、そのロールがそもそもアクセス権を持たないモデルを使えるようにするものではないとされる |
| 推論レベルを上げるほど追加コストがかかる | Medium・High・Extra Highはいずれも同じ基盤モデル(GPT-5.6 Sol)を使い、メッセージあたりのクレジット消費レートは同一とされている。上がるのは応答時間と思考の深さで、単価ではない |
| Fast Modeを有効にすればコストが下がる | Fast Modeは対応モデルの速度を上げる代わりに、標準よりクレジット消費が増える。GPT-5.6やGPT-5.5では標準の2.5倍程度のレートになるという説明があり、コスト削減目的での有効化はむしろ逆効果になりうる |
特に誤解されやすいのが推論レベルとコストの関係です。
推論レベルを上げても料金が跳ね上がるわけではありません。
コストに直結するのはむしろモデルの選択そのものと、Fast Modeの有無だと理解しておくと、部署別設計の優先順位を間違えずに済みます。
ロールの上書きはChatとWork & Codexで別々に評価される仕組みになっているとされています。
つまり、日常のチャット利用は軽量モデルに寄せつつ、Work & Codexで動くエージェントタスクだけ高精度モデルを既定にする、といった使い分けが可能です。
資料の下書きは手早く済ませたいが、契約書レビューのような重い作業は精度を優先したい、という部署にはこの分離がそのまま効いてきます。
Enterprise・EduのカスタムRBAC対応プランでは、ワークスペース内に部署や職種に対応した「グループ」を作成し、ロール(権限のまとまり)を割り当てられるという説明があります。
ロールはグループに割り当てられ、あるユーザーが複数のグループに属している場合は、それぞれのロールが持つ権限のうち最も強いものが適用される仕組みのようです。
経理部グループには低コストモデルを既定にしたロールを、法務部グループには高精度モデルを既定にしたロールを、という形でグループ単位に設計しておくと、異動が発生してもグループの付け替えだけで済みます。
Fast Modeは既定で有効になっているとされ、ロール単位で無効化する上書きも可能なようです。
問い合わせ対応のように即答が求められる部署ではFast Modeを維持しつつ推論レベルはMediumにとどめ、逆にリサーチ業務中心の部署ではFast Modeを切って推論レベルをHighやExtra Highに引き上げる、といった逆方向の調整が現実的な落としどころになりそうです。
速度を取るか精度を取るかは部署のタスク特性で決めるべきで、全社一律の設定は取りこぼしを生みやすい点に注意が必要です。
部署別の既定値設計は、業種や職種ごとの業務特性に合わせてはじめて意味を持ちます。
以下は、実際に設定を分けることでメリットが出やすい組み合わせの例です。
不良品の原因調査レポートや工程改善案の作成など、複数の要因を突き合わせて考える作業が中心の職種です。
このロールには推論レベルをHighまたはExtra Highにした既定値を割り当てておくと、一度の依頼でより深く筋道立てて考えた回答(AIが結論に至るまでの思考の分量を増やした応答)が返ってきやすくなります。
応答は多少遅くなりますが、手戻りの少ない下書きが得られるため、レポート作成にかかるやり取りの往復回数が減ります。
候補者への日程調整メールや求人票の体裁修正など、定型的で件数の多い作業が業務の大半を占めます。
このロールにはFast Modeを有効にした軽量モデルを既定にしておくと、一件あたりの応答が速くなり、まとまった件数を短時間でさばけるようになります。
推論の深さより処理件数が重視される仕事なので、高精度モデルを割り当てるとかえってコストだけがかさむ結果になりがちです。
領収書や請求書の内容を確認し、勘定科目を仕分けていく作業が中心です。
推論レベルをMediumにした標準的な既定値でも十分な精度が出やすい業務で、ここに過剰な推論レベルを割り当てると処理時間だけが延びてしまいます。
繁忙期の月末月初だけ一時的にHighへ引き上げる、といった期間限定の上書きも運用しやすい職種です。
学生からの問い合わせ対応や、履修案内の文面作成などが日常業務です。
Eduプランはワークスペース全体の予算が限られていることが多いため、教務窓口グループには軽量モデルを既定にしつつ、入試広報など文書品質が重視される部署だけ上位モデルを割り当てる、といったメリハリのある設計が向いています。
グループ単位で既定値を分けておけば、部署ごとの消費クレジットの偏りも把握しやすくなります。
まず、ロールが複数重なったときの挙動には注意が必要です。
あるユーザーが複数のグループに属し、それぞれ異なる既定値を持つロールが割り当てられている場合、最も優先度の高い設定が適用されるという説明があります。
兼務者の多い組織では、意図せず高コストなモデルが既定になってしまうケースが起こり得るため、兼務者の扱いだけは事前にルールを決めておいたほうがよさそうです。
次に、Fast Modeの位置づけを取り違えないことです。
速度改善の機能であってコスト削減の機能ではないため、「とりあえず全社でFast Modeをオンにする」という運用は、消費クレジットを増やす方向に働きます。
また、Codex・ChatGPT Work・ChatGPT for Excel・Workspace Agentsが使用量プールを共有する仕様があるため、部署別のコスト按分を厳密に行いたい場合、この共有の範囲がどこまで及ぶかを事前に確認しておく必要があります。
按分ルールを設計する前に、自社の契約でどの機能が同一プールに含まれるのか、管理コンソールやサポート窓口で確認しておくと後々の集計で混乱しません。
最後に、既定値の設定はプラン・契約内容によって表示される項目が異なる場合があります。
本稿で紹介した設定項目や挙動は執筆時点の公式ヘルプに基づく内容であり、管理コンソールの表示は今後のアップデートで変わる可能性があるため、実際に設定する際は自社のワークスペース設定画面の表示を必ず確認してください。
ChatGPT Workの管理者は、Workspace settingsの「Models」からChatとWork & Codexそれぞれの既定モデル・推論レベル・速度・Fast Modeの可否を設定でき、RBAC対応プランではグループやロール単位でこれを上書きできます。
重要なのは、この既定値があくまで初期値の指定であり、権限そのものを付け替える機能ではないという点です。
推論レベルを上げても単価は変わらない一方、Fast Modeはコストを押し上げる方向に働くなど、直感に反する仕様も含まれています。
部署の業務特性を見極めたうえで、モデル・推論レベル・速度の3つを別々に調整することが、コストと品質のバランスを取る近道になります。
次の一手としては、まず自社で消費クレジットの多い部署を1つか2つ選び、ロール単位の既定値変更を小さく試してみることをおすすめします。
数週間分の利用状況を見比べれば、全社展開する前に自部署に合った設定の勘所がつかめるはずです。