新規顧客に送る最初の動画メッセージを、担当者一人ひとりが毎回カメラの前に座って撮り直すのは正直つらい作業です。
営業やカスタマーサクセスの現場で、そう感じたことがある人は少なくないはずです。
Google Vidsに追加された「個人アバター」機能を使うと、自分の顔と声を一度登録するだけで、以降はテキストを打ち込むだけで自分自身が話す動画を量産できるとされています。
Googleの公式ブログによれば、この機能は2026年7月中旬からGoogle VidsにGemini Omniとともに追加されたとのことです。
撮影のたびにカメラの前に座る手間を減らせる一方で、現時点では英語専用という制約もあります。
本記事では、営業・カスタマーサクセス担当者が顧客向けのウェルカム動画やフォローアップ動画をこの機能で量産する際の、具体的な使い方と注意点を整理します。
Google Vidsの個人アバターは、自分の顔写真と短い音声サンプルを登録すると、その見た目と声を使った動画をテキストの指示だけで生成できる機能です。
撮影済みの映像を編集するのではなく、登録した本人の姿を新しく演じさせる形で動画を作る点が、既存のテンプレート動画とは異なります。
Google Workspace Updatesの発表によれば、2026年7月16日からGoogle Vidsで順次展開が始まったとされています。
生成された動画にはすべてSynthIDという電子透かしが埋め込まれ、AIによって作られたものだと後から確認できる仕組みになっているとのことです。
アバターはGoogleアカウントに紐づいており、本人以外の顔を登録することはできない設計だと説明されています。
利用を検討する前に、自社の契約プランと担当者のアカウント条件が対象になっているかを確認しておく必要があります。
Impress Watchの記事でも、パーソナルアバターは18歳以上限定という条件が紹介されています。
主な条件を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象機能 | Google VidsでのGemini Omniによる動画生成・編集、個人アバターでの出演 |
| 必要プラン | Google AI Plus・Pro・Ultraのいずれか、またはGoogle Workspaceのビジネス向けプラン |
| 年齢制限 | 18歳以上 |
| 対応言語 | 英語のみ(2026年8月時点) |
| 対応地域 | 欧州経済領域(EEA)・スイス・英国は対象外。日本は対象地域に含まれる |
| アバターの登録内容 | 顔を左右に動かしながら撮る自撮り写真数枚と、画面に表示される数字を読み上げた音声 |
| 電子透かし | 生成した動画すべてにSynthIDを埋め込み |
| 展開状況 | 2026年7月16日からGoogle Vidsで順次展開開始 |
個人アバターは便利な半面、営業・カスタマーサクセス向けに使うにはいくつかの制約を理解しておく必要があります。
過剰な期待を持ったまま導入すると、日本語での運用でつまずく可能性があります。
| できること | できないこと |
|---|---|
| 顔と声を一度登録すれば、以降はテキスト指示だけで新しい動画を量産できる | 日本語の音声・字幕をそのままアバターに話させる(2026年8月時点では英語のみ対応) |
| 短尺のウェルカム動画やフォローアップ動画を素早く試作できる | 長尺の商談動画やウェビナー全体を代替する(現状は短い尺の生成が中心とされている) |
| 生成動画にSynthIDの電子透かしが入り、AI生成であることを後から確認できる | 透かしを外して「本人が実際に撮影した動画」として配布する |
| 本人自身の顔と声だけをアバター化できる | 同僚や上司など、他人の顔を借りてアバターを作る |
| Google AI Plus以上の契約があれば個人でも試せる | 無料プランのGoogleアカウントでそのまま使う |
特に見落としやすいのが、英語専用という制約です。
プロンプトを英語で書く必要があるだけでなく、アバターが話す内容そのものも英語になるとされています。
日本国内の顧客向けにそのまま使うのは難しく、英語圏の顧客とのやり取りや、英語字幕を前提にした動画に用途が絞られる可能性がある点は、事前に社内で共有しておいた方がよいでしょう。
最初の一歩は、動画を作ることではなく、アバターの元になる自分の顔と声を登録することです。
TECH NOISYの解説によれば、Geminiのサイドバーから動画メニューを開き、案内に従って専用ページで顔をスキャンし、画面に表示される数字を声に出して読み上げることで登録が完了するとのことです。
登録は一度きりの作業なので、静かな環境で、照明が顔に当たる場所を選んでおくと、後々作り直す手間を減らせます。
アバターの登録が済んだら、次は「毎回何をどう指示するか」を型にしておく作業です。
新規契約時のお礼、初回ミーティングの案内、資料送付の一言といった、頻度の高いシーンごとに英語の指示文をあらかじめ用意しておくと、担当者ごとの言い回しのばらつきを抑えられます。
プロンプトには、話す内容だけでなく、あいさつのトーンや動画の長さの目安も含めておくと、生成結果の当たり外れを減らしやすくなります。
生成した動画は、Google Vids内で再生できるほか、リンクとして書き出して共有できるとされています。
このリンクを、CRMの商談メモや、メール配信ツールのフォローアップ文面に貼り付ければ、顧客ごとに個別の動画を送るワークフローが組めます。
件名や本文に「あなたのために作った動画です」と一言添えるだけでも、テキストだけのメールより開封後の反応が変わってくることが期待できます。
問い合わせフォームから資料請求があった見込み客に対して、担当者本人の顔と声で「資料をご覧いただきありがとうございます」という短い動画を送る使い方です。
テキストメールに埋もれがちな一次接触を、顔の見えるメッセージに変えられる点が特徴です。
一件ずつ撮影する手間がなくなるため、リード数が多い月でも個別対応の質を落としにくくなります。
求職者に対する初回面談後のフォローアップとして、担当アドバイザー本人の姿で「本日はお時間をいただきありがとうございました」という動画を送る使い方です。
文面だけのお礼メールよりも、担当者の顔が見えることで安心感を持ってもらいやすくなります。
特に転職活動中で不安を抱えやすい求職者への対応で、効果を感じやすい場面だといえます。
契約後のオンボーディング期間中、次のステップを案内する短い動画を担当者本人の姿で配信する使い方です。
マニュアルやFAQページのリンクを送るだけでは読まれないことが多い場面でも、担当者が話しかける形式にすることで、視聴してもらえる可能性が高まります。
複数の顧客を同時に担当していても、内容を差し替えるだけで個別対応に近い体験を提供できます。
ポータルサイト経由で問い合わせがあった見込み客に対して、担当者本人が物件の見どころを短く紹介する動画を送る使い方です。
初回の電話がつながらない相手にも、動画付きのメッセージであれば内容を先に伝えられます。
現地案内の前に担当者の顔を知ってもらえるため、初対面時の警戒感を下げる効果も期待できます。
Google Vidsの個人アバターは、自分の顔と声を一度登録すれば、以降はテキストの指示だけで本人が話す動画を生成できる機能です。
すべての生成動画にはSynthIDの電子透かしが入り、18歳以上であることや対象プランの契約が利用の前提になっています。
一方で、2026年8月時点では英語専用という制約があり、日本語でそのまま使える機能ではありません。
この制約を踏まえたうえでなお価値があるのは、営業やカスタマーサクセスのように、同じような一言メッセージを大量の相手に個別発信したい業務との相性の良さです。
撮影という物理的な手間を取り除ける点は、動画による個別対応を諦めていたチームにとって、試す価値のある選択肢になり得ます。
まずは英語のウェルカムメッセージを一つ用意し、少人数の見込み客に試験的に送ってみるところから始めてみてください。
反応が良ければ、フォローアップや退職・解約防止の連絡など、他の場面にも展開を広げていくとよいでしょう。